長崎五島の椿油のレトロな壜
こんにちは。みや子です。
前回に引き続き、椿に関連した記事を。
淑女の皆様の中には、椿油をお使いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私はたまに祖母の椿油を拝借して、髪の毛の先の方にチョッとつけたりしておりました。
今回は、そんなツバキ油それも長崎五島産のものについてご紹介いたします。
とっても乙女チックな色遣いと文字!
前回記しました通り、椿は正真正銘日本の花です。また原生地は北九州とのこと。
そんな原産地で作られた 今村製作所の「椿油」
パッケージがシンプルで、昔から愛されてきたという感じがしますよね。
さて、そんな椿油も文学に沢山出て参ります。
- 宮本百合子の『杏の若葉』(大正15年)
ぬいは、小さい椿油の壜を出して来た。清二は、その壜を見ると、嬉しそうにうんうんをして手を出した。が直ぐまた別のものを探しだした。ぬいは、一生懸命になって、彼のいるものが、紙切れなのを当てた。清二は機械のところどころに少しずつ油をさして、やっと時計が動くようにした。
椿油の壜が普通にあったこと、そしてそれを機械油に代用した描写。面白いですね。
- 小酒井不木の『段梯子の恐怖』(大正15年)
姉さんが段梯子に椿油でも塗って……
- 林芙美子の『大島行』
鑵へ這入つた椿油の小さいのを七ツ買つて來る。油屋のおしゆんさんと云ふのが美しい娘だから見てゐらつしやいと云はれたが、めんどくさくて船着き場の店で用をたしてしまひました。
鑵に入ったのもあったのですねえ。
お銀様は、急にその香箱を持って、自分の鼻先に持って来ると、
紛 として立ちのぼる香りは椿油の香いであります。椿の油は、刀剣を愛する人の好んで用うるものであると共に、髪の毛の黒いことを望む女の人は、誰でもこれを珍重しますから、ドチラにしてもその香いは不自然ではありません。
刀の油にも使われたのですね。また、昔より黒髪には椿油だったようです。
それでは、また。
みやこ
≪参考サイト≫